相談役日記

楽して集客できる方法・・・

塾経営のTips
2024.05.16
石井正和

知人が2年前に学習塾を自ら始めました。
どうしているかなと思って、その教室に会いに行きました。

知人は40歳手前の男性で、私が突然行っても快く迎えてくれました。

「学習塾を運営していて、常に心配していることは何か?」という話をした時に、その彼は迷わず「集客」と答えました。

私は入塾した生徒の成績を上げることだったり、塾内の雰囲気を良くするといったことが返ってくると思っていたので、「集客」と言われたことは意外でした。

もちろん私も「集客」が大事なのはわかっていますが、「集客」が一番だという彼の話を聞いているとなるほどなと思うことがありました。

彼のように「集客」で困っている塾が、実はたくさんあるのではないかと思い、他社の学習塾に「集客」のアドバイスをしますよというお手紙を100件ほど送ると9件の塾から連絡が来て、そのうちの6件の塾にアドバイス相談会という名目で行ってきました。

6つの塾に共通していることは、主にパソコン教材とAI教材等を用いて授業を行っていて、人を雇わないで塾長一人で教室運営を行っているということです。

これらの塾長さんと話をして思ったことは今のままのやり方では難しいということです。
塾の雰囲気を作るのは塾で働く人たちです。
塾長の他にスタッフを雇って人員体制を厚くすることがすぐにできる改善策の一つだと提案しましたが、今の塾長一人で運営するやり方を変えたくないようです。
人件費がかかるのも嫌なのでしょう。ただ、フルタイムでなくてよいので、生徒がきたら感じよく挨拶できる人を教室に置いて、塾長が来塾応対している間の電話にでたりする人がいることで塾の雰囲気がよくなったり、一つ一つの応対も丁寧にできます。

集客においても季節ごとにチラシをポスティングしたり、小中学校の校門前で教室の案内ビラを渡したりしているかというと、広告量が十分ではないことがわかりました。

しかし、塾長さんたちは、そこにはあまり関心がないようで、関心があるのは、
「成績がすぐに上がるよいテキストはないか?」
「広告物でたくさん問い合わせがくるものはないか?」
というものでした。
これをしたら、すぐに問い合わせが来て集客に困らないみたいな魔法のようなものを求めているのだと思いますが、そんなものはないと思います。
集客するための営業活動を地道に行うほかありません。

フランチャイズを探している方の90%が、今の自分の力でできて、できるだけ「楽に」できるものに興味があります。
そういった方が学習塾に加盟することがありますが、高級食パン屋やタピオカ屋と同じ基準で選ばれます。
高級食パンやタピオカを利用して儲けるという発想です。
これを学習塾に当てはめると、パソコン教材や講師を使って教えて「楽に」儲けたいということになります。

一方、私達の発想は、講師をうまく育て、子どもの成績を上げて、ご家庭の信頼を得て「繁盛塾」を作ります。
閉校しているほとんどの塾は、どうしたら生徒の成績を上げられるかをまず先に考えるのではなく、どうしたら儲かるかをまず先に考えているようです。
それが一番うまくいかない理由だと思います。
生徒保護者は、塾を儲けさせるために塾に通うのではなく、成績を上げるために塾に通うということを理解しなければなりません。

今回6つの塾に訪問して、塾長さんの話を聞いて私も勉強になりました。
そして、ノーバスが繁盛している理由は、地道に営業活動を行い、よい塾の雰囲気をつくって、生徒の成績を上げることを一番に考えているからなのだと改めて思いました。
これからもノーバスは、今のやり方を変えず貫いていこうと思います。