相談役日記

努力家というもの。継続すること。

塾経営のTips
2009.10.01
石井正和

私、実は新聞奨学生でした。

高校3年生の2学期、アポロが月面着陸した年に、実家で色々問題があって山口県から東京に出てきたんですよ。
浪人して大学にいったんですが、当時お金がなかったもので新聞奨学生をやりながら通っていたんです。

新聞奨学生は入学金から月謝、衣食住の面倒までみてくれて生活するには困らないんですね。
ただ朝3時に起きなくてはいけなくて、よく店の親父さんに怒られたものでした。
いろいろあったけど結局親に負担をかけないで卒業まで続けることができました。

よく人から見ると、大変ね、頑張ったのねって言われるのですが、別にがんばったわけじゃなくて
それが自分の生活なので、朝起きたり集金したりするのは辛いけど、まぁ辛くないんですよ。
それ以外に方法がないから。
同じような境遇にあった仲間は、みんな最後までやりましたね。私を含めて怠け者であっても。

でも、中には続かない人もいたわけです。
例えば家が金持ちなのに、親に負担をかけないで大学に行こうとしていた人とか。
彼らはほぼ例外がないくらい1年で沈没してしまいましたね。

彼らは私なんか比べ物にならないくらい1000倍も真面目で努力家な人たちなんです。
でも結果からみたら、彼らは途中で挫折した人なんですよ。
世間からみたら、いくら根が怠け者でも続けることができた私のほうが努力家なんです。
面白いですよね。

なぜ私よりも真面目で努力家な彼らが続かなかったのか。
それは後ろに逃げ道があったからなんですね。
奨学生を辞めても、大学を続けることができるでしょう?
これが彼らが続かなかった理由。

そして、私達にとってはもうそれ以外の方法がなかったから、
その生活が当たり前になりました。これしかないんだって思って強い意志ももてました。
そうすると智恵もでるんですよ。どうしたら早く配り終わるかとか、効率よく集金するかとか。
優秀どうのとかじゃなくて、誰だって1時間で終わるものが自分だけ2時間かかれば早くしようと思います。
1時間で終われば、30分にできるんじゃないかって思うわけです。
そうなると、俄然楽になりましたね。
「当たり前になること」これが怠け者でも私達が最後まで続けられた理由です。

この2つは、仕事でも同じです。
仕事が続かない人達はきっと後ろに「逃げ道」があったり、
これしかないと「当たり前に」なっていないんだと思います。

そこをうまく導いてあげることができれば、人は育ちます。

ちなみに私はいまでも配達員の方の後ろを1度ついていけば、1日1万件でも新聞配達をすることができます。